つるえどメモ r18

舞台は江渡貝くんの家。
うららかな心地よい日差しが部屋の中に差し込んでいる。
暖かな日の光を浴びながら、午後の休憩を楽しんでいる江渡貝。
お茶を入れた湯飲みを持ち、うとうとと時間を過ごしていた。
剥製の家族たちと会話してしまいそうなほど、静かで穏やかな時間だ。
そんな中、家のドアをノックする音が聴こえてきた。
あぁ、この音は鶴見さんだ。江渡貝の頬の血色は良くなり、目には期待の光が宿っている。
「江渡貝くぅん!」
名を呼ばれれば、ほぼ反射的に「鶴見さん!」と大声で返事をしていた。
「鶴見さん、鶴見さん」と何度も名を呼びながら玄関へと向かう。
「鶴見さん!」
ようやく開けたドアの先に江渡貝の大切な人はいた。思わず名を呼びその体に抱き着いた。
「うんうん」
頷きながら鶴見は江渡貝の後頭部に手を添える。いつものようによしよしの体勢に入ったらしい。
江渡貝はただただ子犬のような声を鳴らしなでなでしている鶴見の胸元にすっぽり収まった。
よしよしされているだけでは悪いと思ったのだろう。江渡貝は鶴見に甘やかされながら「つるみさぁん」と言った。
「今日はおいしいお茶がちょうどできているんです。玄関じゃなんです、部屋でくつろいでいってください」
「ありがとう」
江渡貝に誘われるまま鶴見は部屋へ入っていく。
鶴見の来訪が嬉しくてたまらないらしい。江渡貝は鼻歌混じりに歩いていた。
「あぁ、緑茶の香りだ」
江渡貝の部屋に入ると鶴見は鼻をひくひくさせた。煎れたての茶の香りがしている。
「どうぞ」
江渡貝は椅子を引いて、鶴見に座るように促した。
さきほど煎れたばかりです。と江渡貝はもう一つ湯飲みを持ってくるとそこに緑茶をそそいだ。
「うん、うまい」
江渡貝は自分の使っていた湯飲みを持つと、鶴見の隣に座った。
「こうしてのんびりしているの、久しぶりですね」
「あぁ、久しぶりだ。最後に君と話したのがずいぶん昔のことのように思える」
「贋物は、少しずつ進めています」
「それなら何より。製作も進めてくれているし、今日も可愛らしくお迎えまでしてくれて……」
そこまで言うと、鶴見は一息置いて江渡貝の方へと手を指し伸ばした。
「よしよしペロペロしてあげよう」
おいで、江渡貝くん。その一言に江渡貝は目をぱちくりさせた。
椅子に座った鶴見はそのままの姿勢で江渡貝を迎え入れようとしている。
「あ、えっと……」
躊躇しているが、江渡貝自身も次のステップに期待をしている。そんな江渡貝の様子を見抜いているのだろう。
鶴見は江渡貝の腰を引き寄せるようにして、もう一度「おいで」と誘った。
「あの、鶴見さん」
椅子に座ったままの鶴見の腰をまたぐようにして江渡貝は鶴見と向かい合っている。
ほぼ股間が擦りあう近さで、顔を寄せようとしていた。江渡貝は羞恥のあまりに腰を引いている。
「ちゃんと顔をみせてごらん」
江渡貝の反応を知ったうえでだろう。鶴見は江渡貝の腰を引き寄せると、鶴見の腹のあたりに引いた。
「ひぇ……」
真っ赤な顔のまま、顔を寄せられれば、思わず目を瞑ってしまう。
しかし、その間に唇が触れてしまった。
「は……つるみさん」
江渡貝の物足りなさげなつぶやきを吸い取るように、鶴見は再び口づけをした。
唇だけが離れた距離で、鶴見は江渡貝に命令をする。
「江渡貝くんからぺろぺろしてみなさい」
舌なめずりをしながら鶴見は江渡貝の目をじっとみた。
恥ずかしいけれど、この人に言われれば従ってしまう。江渡貝は鶴見の唇に自分のそれを擦り付けると、口腔の中に舌を差し入れ、その中で舌を動かした。鶴見の口の中をたどり、舌を探り当てそれに自分のものを擦りつける。鶴見に教え込まれた行為を思い出し、腰のあたりが疼いた。
顔を離せば唾液が口の端に流れていることに気が付いた。
そして鶴見は江渡貝を抱き寄せると「もっと」とつぶやいた。
鶴見は「服をぬがせてくれるかな」と江渡貝に尋ねた。
頷く様子を見ると、鶴見も江渡貝の服に手を伸ばす。
本来器用なはずの江渡貝だが、こういう時は急に不器用になる。
もたもたと動く様子は愛らしい。服を脱いでしまえば、少しだらしのない江渡貝の肉が見えた。
けれども、筋肉質ではないだけで、太っているわけではない。身長のわりに体重は軽く。本当に成人男性一人が乗っているのだろうかと不安になる重さだった。
「やせすぎじゃないか?」
鶴見は江渡貝の太ももを触りながら言う。
ふたたび向かい合う姿勢になりながら江渡貝は「いいんです、これが」と返した。
鶴見の太ももに腰を下ろせば、江渡貝の方が目線が上になる。
普段はほんの少し見上げる身長差のため珍しい光景だ。
それから、と江渡貝は鶴見の足の間に目を遣った。
「鶴見さんのスケベ」
「お互い様だ」
鶴見は江渡貝の腰に手を当てて言う。
そして江渡貝の動きを先導するようにして、二つの体をひとつにする。

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