月江鯉が話してるだけ 現パロ

現パロ・月島と江渡貝とコイトくんの話。

「これがうわさの……」
江渡貝は350mlのペットボトルを持ち上げて透明の液体を揺らした。
月島は「あぁ、そうそう、それ」と手元の電子端末で漫画を読みながら答える。
「昨日から発売の天然水・塩キャラメルフレーバー、どこにも売っていなくて都内中探したんです」
月島さぁん、ありがとう。と江渡貝は目を細めて涙を浮かべながら言った。
江渡貝が欲していたものは、透明な水に見えて、水に香料などでフレーバーのついているのみものだった。
近年フルーツ味や、北海道ではハスカップの味など、ご当地ものが多数販売されている。
今回発売となったものは東京限定(特に原宿が発信地らしい@TGC)の塩キャラメルフレーバー。
別の種類として発売されたマカロンピスタチオフレーバーはすでに入手済みらしい。
月島としてはそこにたいする情熱のかけ方は理解できないが、身の周りの江渡貝の世代の青年はたいてい考えていることがわからない。
叫ぶし、変なところに自信過剰だったり、あと、妙に鶴見クラスタが多いな、と彼らの共通点に思いをはせる。
「つるみさん・・・」
江渡貝もその傾向にあるようだ。
どこから持ち出してきたのだろうか。前世から変わらず鶴見に似せた人形を持ち歩いているらしい。
手のひらに載るほどの人形をもって頬に摺り寄せる。
「鶴見さん、みてください。ようやく塩キャラメルフレーバーを入手しました」
そう言ってセルフヨシペロを済ますと江渡貝はペットボトルのふたを開けた。
そして、うふふ、と微笑みながらそれに口をつける。

「えー!!」
しかし、江渡貝はそれを一口飲んだ瞬間不満そうな声を爆発させた。
「え、なんで」
月島はそう言いながら不満そうな江渡貝に目をやると、
その後ろからかつかつ足音を響かせて鯉登がやってきた。
何なのだ、その妙に自信満々な歩き方は、と思いながら月島は嫌な予感を察していた。
こういう時の鯉登が一番めんどくさいことはしっている。
「ふふふ、江渡貝・・・・・・その飲み物は塩キャラメルフレーバーじゃない」
そういって、コイトは、胸ポケットからもう一つペットボトルをとりだした。
「でも、これ塩キャラメルってかいてある」
そういう江渡貝に指をふると、コイトは続ける。
「それは、ただのミネラルウォーターと塩キャラメル味とを張り替えたのだ、私が!」
声高らかにいうことじゃないでしょう。月島は思わず突っ込みをいれる。
悲しそうに肩を落とす江渡貝だが、驚き悲しむ姿をみて、彼のいたずらこころは満足したのだろう。
コイトは本物の塩キャラメル味を江渡貝に渡すと華麗に立ち去って行った。

おわり

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