鶴江鶴 花札 原作軸

鶴江のようなそうでもないような。

「花札、ですか?」
「あぁ、お互いに勝ったら好きなことを相手に命令する。どうかね」
「い、いいですよ」
江渡貝は頭の片隅で頭をなでてもらおう、と考えながら答えた。
やや鼻の下が伸びている。
「親は江渡貝くんだね」
「ふふ、出だしから良い感じです」
今日は勝てる気がする、と江渡貝はにやりと笑った。
いつも負けては鶴見の肩たたきばかりさせられてきたのだ。
たまには勝ちたい。

「うーん」
どうやら、今までの動きから察するに鶴見は月見で一杯もしくは花見で一杯を狙っているのだろう。
しかし、江渡貝の手元にはすでに四光(光札を4枚もつこと)が揃っている。
江渡貝の順番となった。不要な短冊を捨てると、そこに現れた札は待ちに待った「松に鶴」の札だ。
にや、と江渡貝は笑うと札を明かした。
「今日は私の負けだ」
鶴見は言葉をつづけ、江渡貝の頭をなでながら言う。
「なんでも好きなことをしてやろう」
うう、と江渡貝はうなる。
せっかく勝ったというのに、願いを言う前に叶ってしまったからだ。
何を願おう、何を命令しよう。
そう思いながら江渡貝は言った。
「肩たたきしてください」と。

おわり

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