鶴江鶴 16歳と7歳 鶴見と江渡貝

ランキング順位より鶴見7歳、えどがい16歳設定。このあとランキングどうなるかな。

「君は?」
良い家の子供なのだろうか。
きちんとした身なりの小さな少年が道端に座り込んでいた。
迷子なのだろうか。
江渡貝はそこに座り込む子供へ声をかけた。
つやつやした黒い髪の少年は江渡貝を一瞥すると興味なさそうに、地面へ目を伏せた。
「迷子?」
それでも江渡貝はその子供に声をかける。大抵の迷子というのは機嫌が悪い。
江渡貝はかつて自分自身がそうであったことを思い出しながら、少年のとなりに腰を下ろす。
「名前は?」
訪ねてもその子どもは答えなかった。もっとも見知らぬ大人に声をかけられたのだから、仕方ない、と江渡貝少年は思う。
自身も年齢は16歳。決して大人とは呼べないが。
「僕は江渡貝弥作。そこの家に住んでいる。どこから来たんだい?」
「……にいがた」
子供は顔を伏せたままそれだけ呟いた。ずいぶん遠くからきたものだ。
旅行か何かでここまで来て家族と離れてしまったのだろう。
ちらり、と膝を見れば、その子供の膝は赤く擦り剥けていた。
転んだの?と聞けば子供はしずかに頷いた。
「ちょっとまってて」
江渡貝は近くの井戸から竹筒に水を汲み、戻ってきた。
膝小僧に水をかけて泥をとってやる。大した傷ではないが、沁みるらしい。
痛みに顔を歪めながらもその子供は静かにしていた。年齢はだいぶ幼く見えるが我慢強い子供だ。
江渡貝は感心しながらも、水で洗った傷口の汚れが落ちたのを確認すると、ポケットから出した白いハンカチを少年の膝小僧に結んだ。
「これで少しは痛みが引くと思うけど」
そう言って江渡貝は立ち去ろうとした。
すると子供は「鶴見」とだけ言った。
「それって?」
「名前だ」
その子供は立ち上がるとその場から立ち去っていった。

うとうとと夢うつつから鶴見少年は目を覚ました。
「あれ?」
先ほど家の庭で遊んでいて、転んで・・・
見知らぬ少年に助けられていたような。と記憶を思い出す。
しかし、確かに膝は痛んでおり、傷がある。
そして膝小僧には白いハンカチが結ばれていた。

おわり

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