月江月 現パロ

現パロ月江月
※あまり受け攻め関係ないです。

セーター、ワイシャツ、薄手のニットに肌着にハンカチ。
江渡貝はそれらを無心でたたみながら、日中の会話を思い出していた。

それは、カフェでの出来事だった。
白い丸い皿の上には、ずっしりとしたチョコレートケーキが乗っていた。
江渡貝は、ケーキの形を崩さぬように、そっとフォークをケーキにさした。
一切れ持ち上げた甘みの塊を口に運ぶと、ふわりと頬を蕩けさせて目を細めた。
「はぁぁ、このケーキ美味しい」
ふわぁ、と溜息をつくと、江渡貝は頬っぺたをおさえる。
もう一口食べて溜息をつく江渡貝に、月島は目の前に置いているチーズケーキを指して江渡貝に尋ねる。
「これも食べるか」
「えっ、いいんですか!」
すると江渡貝は目を大きく見開いた。瞳に光がさして、きらきらと光る。
そんな江渡貝をほほえましく眺めながら月島は頬杖をついた。
年齢的にも、甘いものばかりでは胃がもたれてしまう。
少し江渡貝に食べてもらうくらいが丁度いい。
それにしても、江渡貝は柔らかくて、かわいらしい青年だ。
「あぁ、しかし……太ったな」
ぼそり、と月島は言った。
二人は交際するようになり、以前よりも外食が増えていた。
それに加え、最近寒くて食欲が戻ってきたのだろう。
江渡貝はよく食べるようになり、少しだけ背中がぷにぷにしていた。
しかし、江渡貝はその自覚がないらしい。無関心な表情でケーキをもう一口食べようとしていた。
「あぁ、確かに、月島さん最近ほっぺたが」
「いや、俺じゃなくて、お前が」
そう言って江渡貝は指させば、江渡貝は途端に顔を真っ赤にした。
「はぁぁぁ? 僕が、ですか!」
まるっこい背中やお尻がかわいらしいと月島は思っているのだが、江渡貝はそうは思っていないようだ。
慌ててフォローを入れるが、江渡貝は不機嫌そうに眉毛を釣り上げた。
「なんというか、腹が……抱き心地が、柔くて好きなんだが……」
へたくそなフォローに江渡貝はきっと月島をにらむと、掻き込むようにケーキを食べて、
財布から千円を二枚取り出し、テーブルに置いた。
そして、「つ、つきしまさんなんて……嫌いだ!」といい逃げをするとその場を立ち去ったのだった。

昼間のことを思い出し、江渡貝はうぅ、と思わずうめき声をあげる。
月島にかわいい、とか褒められるのは好きだが、太ったと言われたことがショックだった。
きっと冗談で言ったんだろうと、理解はしていた。
けれども、感情の沸点が低いのだ。ついつい声を荒げて大人げないことをしてしまった。
月島さん、怒っていないかな。江渡貝はカバンに入れたままの携帯を取り出した。
携帯には着信があったらしい。画面に着信履歴が一件ポップアップが出ていた。
着信があったのは午後十五時頃。ちょうど、カフェから飛び出したくらいの時間である。
江渡貝は恐る恐る月島の電話番号を指先で押した。
「……」
すると、着信音が数回なった後にすぐに月島の声が江渡貝の名を呼んだ。
「江渡貝?」
月島に名を呼ばれ、江渡貝ははい、と返事をする。
「つ、月島さん……今日は」
謝らないと、と思うのに、うまく声が出なかった。
すると月島は溜息交じりに、あーと言った。照れたような小さな間の後に月島が話し始めた。
「今日は、カフェで、悪かった……そんなに気にしているとは気づかなくて」
「あ……あぁ、えっと、僕も」
ごめんなさい、と江渡貝は小さな声で言う。
「その、何だ。夕飯でも食いにいくか? 豚骨ラーメンとか」
太ったと人に言っておきながら、ハイカロリーな食事のチョイスに江渡貝は苦笑いする。
「そんなのばっかりだから、僕が太るんですよ!」
「なら、何ならいいんだ?」
「月島さんのおすすめでいいです」
月島さんのおすすめは美味しいけど太るものばかりで、困るなぁ~と江渡貝は嘆く。
「じゃぁ今から五分後に迎えにいくから」
「え~、着替えるからまっててください」
「昼と同じ服でいいだろ」
「いやです、豚骨スープが跳ねたら汚れちゃう」
「わかったよ。十分後」
「はーい」
にこり、と笑うと江渡貝は電話を切った。
コート、ワイシャツ、薄手のニット、それにハンカチを身に着けた。
そして、最後に財布を持つと、これから会う、月島を思い浮かべながら浮かれた顔をした。

おわり

月江月のえどがいくんをついつい、ツンデレ気味にしてしまう。ツンデレーションきみが好き♡

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